2011年4月2日土曜日

 

切断されたものを覗く男たち


死が呼び寄せた


聴覚だけが最後まで残っていた


亀裂が入り、転移する


ほとんどのものは待ってはくれない




「目に見えた瞬間に手を開いたことで風船は空気をはきながらしぼんでいった。
その風圧がまさかあなたたちにまで影響を与えているとは思ってもみなかった。
あなたたちはもう目をつぶっていたのに。
聴覚は最後まで残ると言っていたことは正しかった。
たぶん耳に入ってしまったんだ。
このことはまだ終わりを迎えてくれない。
すべては周期なのだけれど、タイミングが重なってしまう。
偶然なのか引き寄せられてなのかはわからない。
でも、共通しているのはみんな同じように手を開いたということ。
あれはそれぞれの意思によるものなのか。」