2013年10月18日金曜日

【詩】ここが腕のみせどころ。


彼があなたに仕掛けた罠はつまりはこういうことだと思うんです。
もちろんこれは比喩のお話。

あなたは、火がついた鍋の油を見て
慌てふためきバタバタ。
彼はそこに現れて、
素早く、水の入ったバケツをあなたに手渡す。
彼を疑うことなく、即座に水をひっかけた。
結果、当然火は飛び散り、まわりに引火し燃え広がった。

気がつかなかったことを責めるつもりはないけれど、
あの時点で消火することは、じゅうぶん可能。
水をかけさえしなければ、たぶん、ああはならなかった。

もし、彼が正しい対処方法を知っていたと証明できるなら、
すべては丸く収まります。
彼はたぶん知っていた。
濡れた布をかぶせりゃ それでおしまい。
けど彼はどうしてそのことをしゃべる?
罪を認めるわけがない。
メリットなんて何もない。
これがなかなか厄介です。

たぶん策を練らなきゃいけないんです。
ここが技のみせどころ。
これがわたしのお仕事です。