2013年10月18日金曜日

【詩】ここが腕のみせどころ。


彼があなたに仕掛けた罠はつまりはこういうことだと思うんです。
もちろんこれは比喩のお話。

あなたは、火がついた鍋の油を見て
慌てふためきバタバタ。
彼はそこに現れて、
素早く、水の入ったバケツをあなたに手渡す。
彼を疑うことなく、即座に水をひっかけた。
結果、当然火は飛び散り、まわりに引火し燃え広がった。

気がつかなかったことを責めるつもりはないけれど、
あの時点で消火することは、じゅうぶん可能。
水をかけさえしなければ、たぶん、ああはならなかった。

もし、彼が正しい対処方法を知っていたと証明できるなら、
すべては丸く収まります。
彼はたぶん知っていた。
濡れた布をかぶせりゃ それでおしまい。
けど彼はどうしてそのことをしゃべる?
罪を認めるわけがない。
メリットなんて何もない。
これがなかなか厄介です。

たぶん策を練らなきゃいけないんです。
ここが技のみせどころ。
これがわたしのお仕事です。

2013年7月13日土曜日

「観察」

用途ではなく価値だけを
交換することすらのぞまない
ただひたすらに所有することを欲望すること
欲望することこそが彼の欲望であり

商品を差し出す女の顔は、
相手を許しながら、まさぐり、液体を提供する

口の悪い男の口は、しゃべりながら、液体を吸い上げる。

はずかしげもなく
欲望をむき出しにして、
打ち砕かれることのない眼差し

目は手であり、手は舌である。




2013年7月12日金曜日

「言葉の練習」



つかむ 空を
うそだ、そんな言葉

もっていかれる 

ぐにゅり

ゆれが大きくなり

つかむ 空を
うそだ、そんな言葉



2013年2月12日火曜日

「お陰さま」 


商人「あ、お陰さま。」

お陰さま「こんにちは。」

商人「さすがに曇りの今日は、影が薄いですね。」

お陰さま「昨日は濃かったのだけれど、濃いなら濃いで、影を潜めてしまうところがあるんだよね。」

商人「そんなことはありませんよ。いつもいつも、お陰さまですわ。」

お陰さま「私が陰でいるもんだから安心してるくせに。」


2013年2月3日日曜日

「ダウジングについて」


従兄弟「あなたが描いているダウジングとは、水彩という技法と関係があるのでしょうか?」

「鋭い質問ですね。僕は確かに乾きに興味があります。水彩に限 らず、作品には、乾湿を感じると思うんです。ウェットな作品、みずみずしさがあるでは意味が違う。けれど共に作品が持っている乾湿の表現です。」

従兄弟「それと水彩画の乾燥が結びつくと?」

「そうです。そして、水彩画はその乾きのなかに水を探す/感じるようなものだと思うのです。」



2012年7月1日日曜日

6月25日
今日は昨日の繰り返しだ。
6月26日
今日は昨日の繰り返しだ。
6月27日
今日は昨日の繰り返しだ。
6月28日
今日は昨日の繰り返しだ。
6月29日
今日は昨日の繰り返しだ。
6月30日
明日は今日の繰り返しだ。
7月1日
今日は昨日の繰り返しだ。
7月2日
今日は昨日の繰り返しだ。
7月3日
今日は昨日の繰り返しだ。





 反復

ねえ、ママ。
僕はね、ママにおちんちんがないのはそれほど不思議じゃないんだよ。
本当だよ。
確かにね、僕は同じ組の女の子の下半身を見た時に、確かに違和感を覚えたよ。
言葉にはしにくいけれど、今でもそれは覚えてる。
この違和感とは性差の実感だと思うよ。
けれどね、ママを含めた大人の女性のそれとは同じではないんだ。
子供が何を言ってるんだと無視しないで、ちゃんと聞いてね。
まずさ、僕にとって陰毛の有る無しは大きいんだよ。
その違和感で、性差よりも大人と子供の違いを強烈に与えられたのさ。
そしてね、なによりも僕は、そう、僕はさ。
パパのおちんちんの方が違和感が強かったのさ。
うん、これは恐怖だといってもいい。
だって僕のものと全く違うじゃないか。
どうしてあんなにグロテスクなの。
不思議でならないよ。
あれば同じなんて思ったら大間違いなんだよ。




男根期



トイレットペーパーとへアースプレーについて語ろうなんてやつは尻軽野郎だ。
高層マンションとCDプレイヤ―について書くなんて楽観的なレイシストに違いない。
眼鏡と絵筆について考えるなんて性的倒錯者だろう。
乳酸菌とハンガーを唱う人間は空想的社会主義だと決めつける。




潔白主義